東京は日本橋三越さんにて、二回に渡り行いまして、
大変に御好評をいただきました、小説「和菓子のアン」「アンと青春」と
佐藤屋八代目も加えていただいております「本和菓衆」とのコラボ企画。
作中に登場する生菓子は、ファンの皆様が「一度は!」と思っておられる
ものが、それぞれにございまして、「山形でも!」とのお声を沢山に
いただき、ついに実現をいたしました!
【「和菓子のアン」「アンと青春」作中の生菓子】
販売店舗 佐藤屋本店・本町店・東原店・北店
販売品目 「はじまりのかがやき・みつ屋のお饅頭・光琳菊の三個入」
まずは上記の形でスタートです。
もちろん、それ以外の菓子も作中に登場いたしますし、自分でも作って
みたもの、やってみたいものがございます。少しずつ内容を変えながら、
山形の皆様にも、作品も併せて楽しんでいただける様にと思っておりますので、
ぜひ店頭にてご覧くださいませ!
なお、第一弾で登場しております菓子について少々。
【光琳菊】
作中で「のし梅を遊び心で入れてある」との記述に、八代目の興奮度マックスになった思い出のある菓子です。
外側はういろう(米粉の多い餅っぽい生地)製で、中は白餡で梅羹を包んだもの。
「エッジが効いてて梅に見えない、まるでスマイルマークみたい」と主人公が思うこの形は、江戸期の絵師、尾形光琳によるもので、実はけっこうな伝統の意匠。
和菓子屋さんだと楕円の丸に真ん中をくぼませて黄色い丸をつけることが多いですが、作中ままの不思議な形で。
【はじまりのかがやき】
「和菓子のアン」の続編、「アンと青春」に登場し、後半の話のカギを握る菓子。
作中の主人公になったつもりで、こちらも作中に登場する「師匠」(先日コスプレ姿を披露してお馴染み?!)の感想からイメージし、形にしました。
作者の坂木先生からもおほめをいただき、すごく嬉しかった一品(直筆コメントまでいただきました!)
動かない水、濃い青、うっすら透ける銀杏など、キーワードから組み立てて作った菓子は、
中にひそませた栗の存在も嬉しい、半錦玉(餡を少し混ぜた寒天)と上南羹(餅を粉にしたものをまぜた寒天)のかさねたもの。
もっちりとした食感が楽しい菓子です。
これに加えて、本の表紙にもなっている「みつ屋」の焼き印の入ったお饅頭をセットにしました。
このお饅頭は、主人公が作中の「みつ屋」でアルバイトをするきっかけになった菓子でもありますので、絶対に外せないな、と(笑)
佐藤屋秋の感謝祭にあわせて、各店の店頭にお出しをしたのですが、やはりファンの方はお待ちだった様でして、なかなかに好評で品切れの際もございます。
ふだんの菓子も作りながらとなりますし、生菓子でもございます。品切れもなんとかご容赦をいただきまして、どうしてもの方はご予約をいただきながら、少しずつ楽しみながらお出しをしていけたら、と。
何よりも、八代目自身が本当に好きで、菓子職人になってからは「いつか作りたい」と思っていた菓子の数々。
本の中の情報から菓子を仕上げていく、という試みは刺激的で、いつもの自分とは違う菓子が登場していきます。
そんな「ちょっと違うぞ」な部分も含めて、ご一緒に作品と菓子を楽しんでいただけましたら幸いです!