1月10日は山形商人のお正月「山形十日初市」でございました!
当日は、寒波到来、しかも今季最強の、とかおどかされまして、もう夜中にも外の様子などちらちらと気にして見てしまっておりました!
積雪の無かったことに安心しながらも、時折舞う雪には内心穏やかではなく、お客様がどれだけ
おいでになるのか、と不安でいっぱいでございましたが、開始時間の10時を待たず店の前に
続々とお集まりいただいたお客様!
外に設置したストーブの周りで暖をとりながら開店をお待ちいただく姿は、自分たちの不安を一気に吹き飛ばしてくれまして、開店から元気いっぱいに呼び声を張り上げた、いつもの
佐藤屋の雰囲気で売り切れまで走り切れました!
結局カステラのみみは1時間弱、他の菓子も次々に売切れまして、お昼ご飯を召し上がってから
ゆっくりとおいでをいただいた方には、誠に申し訳なく売り切れのお詫びを申し上げるばかり。
お昼前の雪の降り方も相当のものでございましたが、初市という400年も続くイベントが、
しっかり新春の恒例行事として山形の人の中に残っているのだな、と嬉しくなりました。
うちのちびっ子も一所懸命に「佐藤屋の初飴いかがですか~?」の声をだしておりまして、
頼もしく成長を感じておりました。お褒めいただいた皆様に感謝します。彼のやる気が
出るかどうかは親父のやる気も左右しますので?!
ところで、ここからは初市の出展者側としてちょっと思ったこと。
元来農家の方の冬期間のお仕事の成果であったり、縁起物の冬の野菜であったり、団子木や
初飴であったり、が中心だった初市。最近ではどうなんでしょうね?
ちょっと用事があって歩いてみたのですが、かなりお店の数が減り、開催場所は変化ないことから、
虫食いみたいな店舗展開になってしまっておりました。
子どもの頃のイメージだと、人でごった返し、呼び声も威勢がよく、確かに商人のお正月、みたいな感じが
いたしました。そう、ニュースで見る京都のえべっさん、これを実際に京都時代に目にした時も「初市みたい」
と感じた位に元気が良かったはず。。。
それがですね、佐藤屋は勿論でっかい声で呼び込みをし、店主である七代松兵衛も一緒に店に立っての
取り組みでしたが、たまに黙ってしまう時間が来ると・・・ 静かなんです・・・
市、ですよ。しかも初市!
市神様のお祭りでもあるわけで、新年の商いを占う意味もあるわけですから、ここはやはり威勢の良い
ところを出した方が良いに決まっておりますでしょう?!
お隣と張り合おうにも隣がいない、そんな状況では無理なのかもしれませんし、寒さのせいも
あるのかもしれませんが、いつかもう一度あの、元気な市になった時が、街中の賑わいが
新たに作られる瞬間かもしれませんね。
色々と新たにイベントを作る事、には熱心なむきもございますが、自分は古くからあるものを、
ちょっとだけ目線を変えて、見せ方を変えるだけで、凄く魅力的なものが沢山あるのが
この街だと思っています。
ずっとそこにいる人には当たり前、のことだけど、外から来た人には斬新で面白い。
そんな山形の面白いとこを、自分が面白がって見てもらう。
まあ初市での店のあんばいが良かったからこそ言える事かもしれませんが、
今年も「山形」の面白さや良さを、「菓子」の力を使って伝えていける仕事をしたいと思います。
賛否両論あるのは当然。意固地にならず、スタイルはぶれずに。
全開走行で今年も参ります。
まずは商人のお正月を無事に迎えさせていただいた皆様に感謝!
ご当地ヒーローにはなれないけれど、街の名物オヤジの地位は密かに狙う八代目を、
今年もどうぞよろしくお願いいたします!